2012年8月29日水曜日

メタボの人の医療費、年8万~12万円割高


厚生労働省の調査でメタボリックシンドロームの人が、そうでない人に比べて医療費が年8−12万円も高い事がわかったそうです。


メタボの人の医療費、年8万~12万円割高 厚労省 


日本の医療費、年々増加しているのを知っていますか?
その額、37.8兆円(H23年度)。

保険制度そのものが問題という声も聞こえますし、高齢社会というのが大きな一つの要因ではありますが、やはりこの”メタボー生活習慣病ー”での医療費増加はあなどれません。
特に、国民病とも言われる糖尿病から進行する糖尿病性腎症の透析医療費はすでに1兆4千億円超えです。(1人あたり年間約500万円)

日本はアメリカとは違って国民皆保険。
一般の人は3割しか負担しなくていいのですよね。気軽に受診でき、お薬がもらえる。
これは、本当に本当に幸せなことです。これにより多くの方が救われたことでしょう。

でも、私たち、少しだけ甘えていませんか?
考えてもらいたことは、「もし、健康保険がなかったら?」ということ。

きっとみなさん”予防”という気持ちがわいてくるのではないでしょうか。
病気というのは防げるものがあります。
肥満をはじめとした生活習慣病はその一つです。

なんとなくのコレステロール、なんとなくの中性脂肪、なんとなくの血糖値に高血圧。
高め予報が出ている方はもちろんのこと、未来の為に予防を考えるとどの世代においても日々の食事や運動が本当に大切だということに気がつくでしょう。

根っこからの健康を意識できる社会になったらよいなと思っています。

【管理栄養士 大野尚子】







2012年8月20日月曜日

平成23年の食料自給率は前年と同じ39%



先日、農林水産省より食料自給率が発表されましたね。
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/anpo/120810.html

カロリーベースでは39%(前年と同じ)、生産額ベースでは66%(前年より4ポイント減)



出典:平成23年度食料自給率 をめぐる事情 出典2


昭和40年の数字から見るとカロリーベースは34%減。
政府は2020年までに自給率を50%にすることを目標としていますが、50%だったのは24年前の1988年。本当に目標は達成できるでしょうか?(たぶん難しい。。)



出典:平成23年度食料自給率 をめぐる事情 出典2

次に、それぞれの内訳をみていきたいとおもいますがカロリーベースのグラフでは97%の”米”の青く塗られた底辺部分が目立ちます。その他は野菜76%と魚介類64%が少し頑張っていますがで大豆25%、小麦11%、油脂類3%など、私たちにとって身近な食品がこんなに低いことに気がついていましたか?

昨年は大震災もあり、その為に自給量が落ち込んだというのが政府の見解の一つにありますが、だからこその意識改革も必要であり、、
「39%ね、ふーん、また去年と同じ数字か〜」で終わらせたくないなと思うこの食料自給率の発表です。皆さんはこれをふまえてどんなアクションをとるでしょうか?
  • 国産食材の活用
  • 加工食品よりも自分で選んだ食品や調味料での手料理
  • 食べ残しをしない
  • 食品そのものを無駄にしない(廃棄を減らす) などがありますね。


秋には世界食料デー(http://www.worldfoodday-japan.net/about/index.html)も控えています。ぜひこの食料自給率の発表をきっかけに個人個人のアクションにつなげていってくださいね。


諸外国の自給率と比較したい方はこちらをどうぞ


【管理栄養士 大野尚子】






2012年8月1日水曜日

畑でレストラン♪

8月になりましたね!
連日猛暑日が続いていますが夏バテなんてしていませんか?

しばらく更新が滞ってしまいましたが、その間に色々なところへ行って参りました。

まずは北海道での「畑でレストラン」のご紹介でもしましょうか!

今年からコープ札幌さんで開催されている畑でレストラン。
http://www.taberutaisetsu-hokkaido.com/

農家さんの畑の中で有名シェフの作ったお料理をたべるという企画。
もちろん、畑の案内付き!


この日は有機野菜を育てる大塚ファームさんにお邪魔しました。
ここのトマトはトマト甲子園で二連覇したおいしいトマトなんです!

他にもバジル、さつまいも、アスパラ、サラダほうれんそうなどなど、全て有機栽培。
レストランはバジルのビニールハウスの中ではじまりました。







畑でレストランのコンセプトとなった書籍も見せていただきました。
畑の中の長テーブル!素敵!!



皆でいただきますな感じがTFT的にもしっくりきますね。
食事はお料理だけではなく、食べる人、食べる場所全てが味を決める要因になるな〜とあらためて。

五感で感じるおいしいお料理でした。

皆さんも、お友達やご家族とたまにはお外で御飯してみてくださいね!
風や太陽をしっかり感じることができますよ〜
(ただし今の時期は熱中症にご用心!)


【管理栄養士 大野尚子】

2012年6月22日金曜日

肥満のおはなしその4:肥満の正体は何なのか


ひまん、ひまん、ひまん。と3回繰り返してみよう…。
ちょっとはずかしくなるような…何故?
太っていることって…肥満って何なのでしょうか?!
肥満シリーズもその4です。




私個人が肥満に対して思うことがあります。
それは”肥満”が必ずしもその当人1人だけの問題ではないのだろうということ。
このことは食と健康に関する仕事をしながらいつも考えてきました。

肥満の社会的な要因は
モータリゼーションによる運動量の減少、
食が娯楽化することでの、栄養バランスの崩れ、
多様な食物が簡単に手に入る先進国の食卓、等々…理由を挙げればきりがありません。

英語だとobesity なんて呼ばれているのですけど、3人に1人が obesityのアメリカでは、肥満者を擁護する団体も存在します。
その名も全米肥満受容協会(NAAFA)。
http://www.naafaonline.com/dev2/
若干、空いた口が塞がらない…状態になりましたが、ここまで肥満者が増加したアメリカ社会にとってはあたりまえのことなのかもしれません。
3人に1人ですから。

こういった団体の存在を知ると、見た目が太っていることと、医学的な肥満、メタボ問題は分けて考えるべきなのかと迷うことがあります。

ただし、世界を俯瞰し食料の均衡と健康という観点からそれを見たとき、”肥満を解消する”ということはやはり社会にとって必要なことだと言えます。

先日、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(London School of Hygiene and Tropical Medicine)の研究チームが発表した論文があります。(以下、記事引用)

全ての国で肥満度指数(BMI)の分布が米国並みとなれば、人間のバイオマス(生物総量)は5800万トン増加する。平均的な体重の人数に換算すれば93500万人分だ。体重が増えれば、活動時も不活動時でも摂取する食物量は増える。
また、肥満の人々の過剰体重分の代謝に必要な食物エネルギー総量は、標準体重の1億人が養える量になるという。
=中略= 
 論文の共著者イアン・ロバーツ(Ian Roberts)氏はAFPの取材に、「人々が地球の将来を心配するとき、地球の人口や増加の現状はどうなっているのだろうと考え、貧しい国の人たちが子どもを産みすぎるせいだと、早急に思いがちだ。だが、食料を必要とする人の頭数だけを数え、生命を維持する肉体の質量に目をやらないのは間違っている」と語った。「体の質量で考えれば、富裕国の太った人たちにも責任があることがわかるはずだ。これはアフリカにおける家族計画の問題だけではない」

=中略=
さらに、富裕国の人々は必要以上に食べ物を消費することで、食物価格をつりあげていると、ロバーツ氏は指摘する。「豊かで太った人たちの国での過剰消費が、結局は貧しい国々を食料不足と貧しさに追いやっているのだ」 
 
太った人が増え続けると地球が食料危機に、英大研究(AFP=時事) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120620-00000025-jij_afp-int

論文の冒頭にあるように全ての国でアメリカ並に肥満が増えることは現実として起こらないでほしいですし、まさかそれはないだろうと思いたいのですが、
現実として肥満者の割合というのは飢餓人口をはるかに上回り、肥満人口は15億人、栄養不足人口は9億2500万人(World Disasters Reportより)と報告されています。

もはや肥満は
“地球温暖化”などとおなじように一つの”現象”として社会が作り出しているものなのかもしれません。そしてそれは世界の皆で解決していくべき問題であるということを私たちは早急に認識しなければならないのです。
これこそTFTの考える飢餓と肥満の同時解決。

他人事ではない気がした肥満の正体。
あなたにもできることがあるはずです。そのヒントは随時、このblogでメンバーがお届けしていきます。
まだまだお伝えしたいことがありますが、肥満のお話シリーズはこれにて一旦終わりにしたいと思います。

P•S
それにしたって、全米肥満受容協会ってすごいですね(汗


【管理栄養士 大野尚子】


2012年6月13日水曜日

VOGUE発!女性のボディイメージに変革の時がくる?!

肥満のお話もその3まで進みましたが、ここら辺で箸休めとしましょう。
今日は女性の皆さんに声を大にしてお伝えしたい内容です。

先月5/27の朝日新聞「天声人声」からキャッチしたVOGUEの
”THE HEALTH INITIATIVE"

                     



世界各国で『VOGUE(ヴォーグ)』を発行する

コンデナスト・パブリケーションズ社(本社・ニューヨーク)は、

5月3日、各国編集長19人の共同声明「ザ・ヘルス・イニシアティブ」を発表しました。

「美と健康とは不可分のものである」という信念のもと、

不健康なほどに痩せたモデルを見た読者が無理な

ダイエットをしたり、また、精神的にも身体的にも未成熟な
若いモデルの姿を「理想のボディ」と読者が誤解することが
ないように、ヴォーグは今後、摂食障害を抱えたモデルや
16歳未満のモデルを起用しないことを決めました。
誌面において健康的なボディ・イメージを促進するほか、
ファッションショウのバックステージや撮影の現場などでの
モデルの食環境などに関しても支援します。
引用:http://www.zaikei.co.jp/releases/45075/


TFT管理栄養士の私もこのプロジェクトには拍手をしたいですね〜
なぜかというと2010年(H22年)の国民健康栄養調査の記事が出た時に
こんなエントリーを残していました。
2012.2.1

以下、エントリ内容より。
=====================
今年は所得の話も入って注目ひいてますが、
それより20代女子の
状況がどうにも心配な感じ。
やせている人(BMI18.5以下)の割合は29%とこれまでで

一番高く、野菜の摂取量は218.7gと成人の年代別で一番少な
い。
「女子だもの、お野菜食べてます!」なんてのは妄想?
朝食もあい
変わらず30%近く食べてない。
それで食事の脂肪エネルギー比率
は28.9%。30%以上の人の割合は44.8%って、
どの年代
よりも高いです。
=====================
そう。そうだったの。
やせてるのに、食事のバランスが明らかにおかしかったのよ。
私たち、日本女子。

管理栄養士として若い世代の子に「便秘で…」という相談を受けますが、
食事内容を聞いた私の心の声が(そもそも食べてないデスケド…!!)なことがなんと多いことか!!もちろん、こういう場合は1日3回の食事の大切さを伝えます。
これについては時間栄養学のお話でも述べたところです。

しっかり食べての健康的なボディ。
そしてママになる身体です。
妊婦さんの過度の痩身傾向から小さく生まれてしまった赤ちゃんが、
メタボリックシンドロームになりやすいことはあまり知られていません。
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-06-002.html

未来の肥満を防ぐためにも、健康的で美しいボディイメージが世界に、そして日本に浸透していくことを願ってやみません。

【管理栄養士 大野尚子】

2012年6月6日水曜日

肥満のお話その3:子供の肥満と給食革命

肥満のお話シリーズも3回目。
そろそろ別の話題で箸休めが必要かしら…と思っていましたが、1日にロイターから出たニュースをみたらキーボードをを打つ手が止められず…



[ワシントン 1日 ロイター]
 米医学研究所(IOM)と米学術研究会議(NRC)は1日、子どもの肥満対策に関する報告書を発表し、連邦政府や州政府に対してジャンクフードやソフトドリンクへの課税などを提言した。報告書は「子どもの肥満は米国の健康に深刻な脅威を与えている」と指摘。連邦政府や地域が対策を取らない限り、問題は解決しないと警告しており、具体的な対策としてはジャンクフードなどへの課税のほか、課外プログラムでのテレビやゲームの制限、レストランのメニューにカロリー表示を載せることも求めている。
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-11299020090902



肥満のお話その1でふれましたが、アメリカは3人に1人が肥満。
子供の肥満問題も言うまでもありません。。。
ニュースの記事にもありますが、飲料メーカーやファーストフードのおまけ作戦など(名前は出してませんよw)、個人の意志に伴わない経済や社会環境がそうさせている部分も多いのが実情。ですから課税という策にたどりつくわけです。

そもそもアメリカの肥満対策は1977年、アメリカ 上院議員ジョージ・マクガバンがだした「マクガバンレポート」から始まります。アメリカ人の心臓病を防ぐためにはやはり食生活が大事だ。特に油を減らして穀類を増やす、どっちかというと日本人のような食生活をするのがいい…」こういった文章をだしてからヘルスプロモーションが一気にすすみはじめました。それから35年ですか…アメリカの肥満問題はかなり根深いものです。


でも子供達だってだまっていません。
2010年、シカゴの高校では生徒達が立ち上がって教育委員会に「給食を健康にして!」と直訴したことも。


給食革命といえばこちらも有名ですね。Jamie Oliver's Food Revolution
トマトとポテトがわからない子もいますよ。


日本の子供達はどうでしょうか?
まだまだアメリカと比べれば肥満とは無縁かもしれませんが、トマトとポテトをわからない 子は実はいるかもな〜(汗)というのがちょっとだけ心配なところだったりします。

食は小さな頃からの積み重ね。”食育だー!!!”と大声で叫ばなくとも、
大人が背中をちゃんと見せることで自然に気づいていってほしいものです。

【管理栄養士 大野尚子】



2012年5月29日火曜日

肥満のお話 その2:糖尿病と日本人


さて、肥満のお話その1:ナウル島の悲劇では読者の皆さんも”ふむ〜”と眉間にしわを寄せて世界の肥満危機を感じたはずです。

その肥満が起因の一つである糖尿病。
実は先週、パシフィコ横浜で第55回日本糖尿病学会年次学術総会が開催されたところでした!http://www2.convention.co.jp/55jds/top.html
全国から13,000名を超える方が参加する大規模な学術総会です。

下の写真をご覧ください。
ん?大会要旨と一緒に写っているのはTFTのパンフレット!
なんと、今回は学会事務局様の計らいでコングレスバック(学会で配られるバッグ一式)の中にTFTの紹介パンフレットを入れていただきました。


糖尿病の学術総会でたくさんの医療従事者の先生の目に触れたことが大変うれしいですね。
本当にありがとうございました。

さて、その糖尿病ですが、”血液に含まれる糖分(血糖)が多くなる病気”で、血糖が高い状態が続くと血管に障害が出やすくなり、これが後に記述する合併症へとつながっていきます。

糖尿病には、血糖値の調節に働く”インスリン”という物質が大きく関係してきます。
このインスリンが十分に供給されない、不足してしまう「Ⅰ型」の方と、肥満やその他生活習慣病が原因でインスリンの効きが悪くなったり行き渡らなかったりする「Ⅱ型」と大きく分けると二つに分けて考えられます。
(詳しく説明するともっと細かく難しくなるので、このblogではここまでの記述としておきますね)


我が国の患者数は
現在約890万人となり、予備群を合わせて約2,210万人と推定されています。予備軍を入れると約6人に1人?!

「糖尿病なんです〜」なんていうと、「私も!私もです〜」なんて…

いわゆる、「あっちもそっちも糖尿病」状態なんです。
うー、これは危険。

糖尿病の危険なところは、初期の状態ではいたくもかゆくもないところ…
だからこそ、管理をおこたると進行するのが合併症です。
毛細血管が詰まる事により目が失明し、足の壊疽(えそ)などの神経障害、はたまた、動脈硬化で心筋梗塞•脳卒中、、腎臓も悪くし、透析へ…

これだけみるとなんだか脅しみたいですね(汗)

でも、これが現実なんです。
腎臓の人工透析にかかる医療費も国費を圧迫する大変なものです。

肥満は糖尿病のリスクの一つ。
また、太っていなくとも、健康診断の数値には敏感にいてもらいたいものです。
「糖尿の気がある、血糖値が高めだね」と言われた方はよーく心に留めて
明日から食事と運動を見直して血糖管理をしてみましょうね。

【管理栄養士 大野尚子】