2012年5月23日水曜日

肥満のお話 その1:ナウル島の悲劇

さて、今日から数回に分けて”肥満”についてのお話をしていこうと思います。

昨年実はTFT事務局で全6回シリーズでその名も肥満問題白熱教室! (サンデル先生ブームの時でしたからね♪) なんていって皆でわいわい、授業の後はヘルシーメニューのお楽しみ付きで学習会を開催していたのでした。

その第一回で取り上げたのが世界の肥満ですよね〜。

資料)社会実情データ図録(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/)


OECD加盟諸国で肥満度が1位なのはもちろんアメリカですね。約30%が肥満です。
さらっと言いましたが、30%、約3人に1人です。
世界的には一般に、BMI が 25.0 以上を過体重 (overweight) 、30.0 以上を肥満 (obesity) (※この図で肥満とカウントされる人たち)としていますが、日本では25.0 以上を肥満としています(世界より厳しいのですね〜ふむふむ)ので一概に比べられないです。25.0 以上とすると日本の肥満も20%以上ですからふーん3%か〜などと言っていられませんよ。WHOと日本では何故基準が違うのかはまた次回お話しましょう。

そしてここからがあの”ナウル島”のお話。
OECD加盟国以外ではの71%が肥満の国があるとか。それがナウル共和国。

いや、すごいんですよ、このグラフを見たときTFT代表の小暮さんはじめ、事務局の皆の口がポカンとなったのを覚えています。70%かよ〜!!と。

資料)社会実情データ図録(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/)

ナウルは質の高い化学肥料となるリン鉱石がとれるようになり欧米諸国にそれを輸出することになります。1968年の独立後、1970年代から80年代にかけて、ナウルは1人当たりのGDPが世界でもトップクラスの「富裕国」になりました。国は、鉱山使用権による巨額の収益を、土地の区分所有者になった国民に分配し、人々は働く必要がなくなった。=働かなくとも食料を手に入れ、好きな物を食べられるようになってしまった…のですね。。。。


でも今は悲しい事にリン鉱石がとれなくなり、GDPも落ち込み経済破綻を迎え、残ったのは肥満と糖尿病……
肥満は経済成長と大きく関係している事を示す一つのお話です。

ナウル島の家の壁にはこんな言葉が書かれているそうです。
Let's work  the talk ,Promote physical activity, Out smart Diabetes to live longer & healthier.

私からも肥満が減って糖尿病になる人が1人でも減る事を願います。できれば、一度訪問したいです。

【管理栄養士 大野尚子】

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