2012年10月15日月曜日

世界食料デー TFT Health Challenge 企画はじまります!

10月になり秋らしくなってきましたね!
読書の秋、スポーツの秋、、食欲の秋…?!
おいしいものが沢山出回るこの季節ですが、
TFTではいよいよ明日10/16(火)から1ヶ月半、世界食料デーキャンペーンがスタートします。
今年も様々な企画が行われますよ!!


その一つに、TFT Health Challenge というfacebookを通じたダイエット企画が登場!
日本とアメリカの代表がダイエットに励みます!
http://tablefor2.org/campaign/itadakimasu/blog.html

こちらが代表のお二人!!
日本からトオルさん、アメリカからアキさんです!



TFTの管理栄養士もHealthAdvisorとしてナビゲートしていきます。


そして、皆さんにもお願いが!
ぜひこのchallengerとお友達になって
いね!やコメントで応援していただけたらと思います。

お友達になった皆さんにも役立つアドバイスもしていく予定!

challengerの
アカウントはこちらです
http://www.facebook.com/challenges.tft

どうぞよろしくお願いします〜♪


2012年8月29日水曜日

メタボの人の医療費、年8万~12万円割高


厚生労働省の調査でメタボリックシンドロームの人が、そうでない人に比べて医療費が年8−12万円も高い事がわかったそうです。


メタボの人の医療費、年8万~12万円割高 厚労省 


日本の医療費、年々増加しているのを知っていますか?
その額、37.8兆円(H23年度)。

保険制度そのものが問題という声も聞こえますし、高齢社会というのが大きな一つの要因ではありますが、やはりこの”メタボー生活習慣病ー”での医療費増加はあなどれません。
特に、国民病とも言われる糖尿病から進行する糖尿病性腎症の透析医療費はすでに1兆4千億円超えです。(1人あたり年間約500万円)

日本はアメリカとは違って国民皆保険。
一般の人は3割しか負担しなくていいのですよね。気軽に受診でき、お薬がもらえる。
これは、本当に本当に幸せなことです。これにより多くの方が救われたことでしょう。

でも、私たち、少しだけ甘えていませんか?
考えてもらいたことは、「もし、健康保険がなかったら?」ということ。

きっとみなさん”予防”という気持ちがわいてくるのではないでしょうか。
病気というのは防げるものがあります。
肥満をはじめとした生活習慣病はその一つです。

なんとなくのコレステロール、なんとなくの中性脂肪、なんとなくの血糖値に高血圧。
高め予報が出ている方はもちろんのこと、未来の為に予防を考えるとどの世代においても日々の食事や運動が本当に大切だということに気がつくでしょう。

根っこからの健康を意識できる社会になったらよいなと思っています。

【管理栄養士 大野尚子】







2012年8月20日月曜日

平成23年の食料自給率は前年と同じ39%



先日、農林水産省より食料自給率が発表されましたね。
http://www.maff.go.jp/j/press/kanbo/anpo/120810.html

カロリーベースでは39%(前年と同じ)、生産額ベースでは66%(前年より4ポイント減)



出典:平成23年度食料自給率 をめぐる事情 出典2


昭和40年の数字から見るとカロリーベースは34%減。
政府は2020年までに自給率を50%にすることを目標としていますが、50%だったのは24年前の1988年。本当に目標は達成できるでしょうか?(たぶん難しい。。)



出典:平成23年度食料自給率 をめぐる事情 出典2

次に、それぞれの内訳をみていきたいとおもいますがカロリーベースのグラフでは97%の”米”の青く塗られた底辺部分が目立ちます。その他は野菜76%と魚介類64%が少し頑張っていますがで大豆25%、小麦11%、油脂類3%など、私たちにとって身近な食品がこんなに低いことに気がついていましたか?

昨年は大震災もあり、その為に自給量が落ち込んだというのが政府の見解の一つにありますが、だからこその意識改革も必要であり、、
「39%ね、ふーん、また去年と同じ数字か〜」で終わらせたくないなと思うこの食料自給率の発表です。皆さんはこれをふまえてどんなアクションをとるでしょうか?
  • 国産食材の活用
  • 加工食品よりも自分で選んだ食品や調味料での手料理
  • 食べ残しをしない
  • 食品そのものを無駄にしない(廃棄を減らす) などがありますね。


秋には世界食料デー(http://www.worldfoodday-japan.net/about/index.html)も控えています。ぜひこの食料自給率の発表をきっかけに個人個人のアクションにつなげていってくださいね。


諸外国の自給率と比較したい方はこちらをどうぞ


【管理栄養士 大野尚子】






2012年8月1日水曜日

畑でレストラン♪

8月になりましたね!
連日猛暑日が続いていますが夏バテなんてしていませんか?

しばらく更新が滞ってしまいましたが、その間に色々なところへ行って参りました。

まずは北海道での「畑でレストラン」のご紹介でもしましょうか!

今年からコープ札幌さんで開催されている畑でレストラン。
http://www.taberutaisetsu-hokkaido.com/

農家さんの畑の中で有名シェフの作ったお料理をたべるという企画。
もちろん、畑の案内付き!


この日は有機野菜を育てる大塚ファームさんにお邪魔しました。
ここのトマトはトマト甲子園で二連覇したおいしいトマトなんです!

他にもバジル、さつまいも、アスパラ、サラダほうれんそうなどなど、全て有機栽培。
レストランはバジルのビニールハウスの中ではじまりました。







畑でレストランのコンセプトとなった書籍も見せていただきました。
畑の中の長テーブル!素敵!!



皆でいただきますな感じがTFT的にもしっくりきますね。
食事はお料理だけではなく、食べる人、食べる場所全てが味を決める要因になるな〜とあらためて。

五感で感じるおいしいお料理でした。

皆さんも、お友達やご家族とたまにはお外で御飯してみてくださいね!
風や太陽をしっかり感じることができますよ〜
(ただし今の時期は熱中症にご用心!)


【管理栄養士 大野尚子】

2012年6月22日金曜日

肥満のおはなしその4:肥満の正体は何なのか


ひまん、ひまん、ひまん。と3回繰り返してみよう…。
ちょっとはずかしくなるような…何故?
太っていることって…肥満って何なのでしょうか?!
肥満シリーズもその4です。




私個人が肥満に対して思うことがあります。
それは”肥満”が必ずしもその当人1人だけの問題ではないのだろうということ。
このことは食と健康に関する仕事をしながらいつも考えてきました。

肥満の社会的な要因は
モータリゼーションによる運動量の減少、
食が娯楽化することでの、栄養バランスの崩れ、
多様な食物が簡単に手に入る先進国の食卓、等々…理由を挙げればきりがありません。

英語だとobesity なんて呼ばれているのですけど、3人に1人が obesityのアメリカでは、肥満者を擁護する団体も存在します。
その名も全米肥満受容協会(NAAFA)。
http://www.naafaonline.com/dev2/
若干、空いた口が塞がらない…状態になりましたが、ここまで肥満者が増加したアメリカ社会にとってはあたりまえのことなのかもしれません。
3人に1人ですから。

こういった団体の存在を知ると、見た目が太っていることと、医学的な肥満、メタボ問題は分けて考えるべきなのかと迷うことがあります。

ただし、世界を俯瞰し食料の均衡と健康という観点からそれを見たとき、”肥満を解消する”ということはやはり社会にとって必要なことだと言えます。

先日、英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院(London School of Hygiene and Tropical Medicine)の研究チームが発表した論文があります。(以下、記事引用)

全ての国で肥満度指数(BMI)の分布が米国並みとなれば、人間のバイオマス(生物総量)は5800万トン増加する。平均的な体重の人数に換算すれば93500万人分だ。体重が増えれば、活動時も不活動時でも摂取する食物量は増える。
また、肥満の人々の過剰体重分の代謝に必要な食物エネルギー総量は、標準体重の1億人が養える量になるという。
=中略= 
 論文の共著者イアン・ロバーツ(Ian Roberts)氏はAFPの取材に、「人々が地球の将来を心配するとき、地球の人口や増加の現状はどうなっているのだろうと考え、貧しい国の人たちが子どもを産みすぎるせいだと、早急に思いがちだ。だが、食料を必要とする人の頭数だけを数え、生命を維持する肉体の質量に目をやらないのは間違っている」と語った。「体の質量で考えれば、富裕国の太った人たちにも責任があることがわかるはずだ。これはアフリカにおける家族計画の問題だけではない」

=中略=
さらに、富裕国の人々は必要以上に食べ物を消費することで、食物価格をつりあげていると、ロバーツ氏は指摘する。「豊かで太った人たちの国での過剰消費が、結局は貧しい国々を食料不足と貧しさに追いやっているのだ」 
 
太った人が増え続けると地球が食料危機に、英大研究(AFP=時事) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120620-00000025-jij_afp-int

論文の冒頭にあるように全ての国でアメリカ並に肥満が増えることは現実として起こらないでほしいですし、まさかそれはないだろうと思いたいのですが、
現実として肥満者の割合というのは飢餓人口をはるかに上回り、肥満人口は15億人、栄養不足人口は9億2500万人(World Disasters Reportより)と報告されています。

もはや肥満は
“地球温暖化”などとおなじように一つの”現象”として社会が作り出しているものなのかもしれません。そしてそれは世界の皆で解決していくべき問題であるということを私たちは早急に認識しなければならないのです。
これこそTFTの考える飢餓と肥満の同時解決。

他人事ではない気がした肥満の正体。
あなたにもできることがあるはずです。そのヒントは随時、このblogでメンバーがお届けしていきます。
まだまだお伝えしたいことがありますが、肥満のお話シリーズはこれにて一旦終わりにしたいと思います。

P•S
それにしたって、全米肥満受容協会ってすごいですね(汗


【管理栄養士 大野尚子】


2012年6月13日水曜日

VOGUE発!女性のボディイメージに変革の時がくる?!

肥満のお話もその3まで進みましたが、ここら辺で箸休めとしましょう。
今日は女性の皆さんに声を大にしてお伝えしたい内容です。

先月5/27の朝日新聞「天声人声」からキャッチしたVOGUEの
”THE HEALTH INITIATIVE"

                     



世界各国で『VOGUE(ヴォーグ)』を発行する

コンデナスト・パブリケーションズ社(本社・ニューヨーク)は、

5月3日、各国編集長19人の共同声明「ザ・ヘルス・イニシアティブ」を発表しました。

「美と健康とは不可分のものである」という信念のもと、

不健康なほどに痩せたモデルを見た読者が無理な

ダイエットをしたり、また、精神的にも身体的にも未成熟な
若いモデルの姿を「理想のボディ」と読者が誤解することが
ないように、ヴォーグは今後、摂食障害を抱えたモデルや
16歳未満のモデルを起用しないことを決めました。
誌面において健康的なボディ・イメージを促進するほか、
ファッションショウのバックステージや撮影の現場などでの
モデルの食環境などに関しても支援します。
引用:http://www.zaikei.co.jp/releases/45075/


TFT管理栄養士の私もこのプロジェクトには拍手をしたいですね〜
なぜかというと2010年(H22年)の国民健康栄養調査の記事が出た時に
こんなエントリーを残していました。
2012.2.1

以下、エントリ内容より。
=====================
今年は所得の話も入って注目ひいてますが、
それより20代女子の
状況がどうにも心配な感じ。
やせている人(BMI18.5以下)の割合は29%とこれまでで

一番高く、野菜の摂取量は218.7gと成人の年代別で一番少な
い。
「女子だもの、お野菜食べてます!」なんてのは妄想?
朝食もあい
変わらず30%近く食べてない。
それで食事の脂肪エネルギー比率
は28.9%。30%以上の人の割合は44.8%って、
どの年代
よりも高いです。
=====================
そう。そうだったの。
やせてるのに、食事のバランスが明らかにおかしかったのよ。
私たち、日本女子。

管理栄養士として若い世代の子に「便秘で…」という相談を受けますが、
食事内容を聞いた私の心の声が(そもそも食べてないデスケド…!!)なことがなんと多いことか!!もちろん、こういう場合は1日3回の食事の大切さを伝えます。
これについては時間栄養学のお話でも述べたところです。

しっかり食べての健康的なボディ。
そしてママになる身体です。
妊婦さんの過度の痩身傾向から小さく生まれてしまった赤ちゃんが、
メタボリックシンドロームになりやすいことはあまり知られていません。
http://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-06-002.html

未来の肥満を防ぐためにも、健康的で美しいボディイメージが世界に、そして日本に浸透していくことを願ってやみません。

【管理栄養士 大野尚子】

2012年6月6日水曜日

肥満のお話その3:子供の肥満と給食革命

肥満のお話シリーズも3回目。
そろそろ別の話題で箸休めが必要かしら…と思っていましたが、1日にロイターから出たニュースをみたらキーボードをを打つ手が止められず…



[ワシントン 1日 ロイター]
 米医学研究所(IOM)と米学術研究会議(NRC)は1日、子どもの肥満対策に関する報告書を発表し、連邦政府や州政府に対してジャンクフードやソフトドリンクへの課税などを提言した。報告書は「子どもの肥満は米国の健康に深刻な脅威を与えている」と指摘。連邦政府や地域が対策を取らない限り、問題は解決しないと警告しており、具体的な対策としてはジャンクフードなどへの課税のほか、課外プログラムでのテレビやゲームの制限、レストランのメニューにカロリー表示を載せることも求めている。
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-11299020090902



肥満のお話その1でふれましたが、アメリカは3人に1人が肥満。
子供の肥満問題も言うまでもありません。。。
ニュースの記事にもありますが、飲料メーカーやファーストフードのおまけ作戦など(名前は出してませんよw)、個人の意志に伴わない経済や社会環境がそうさせている部分も多いのが実情。ですから課税という策にたどりつくわけです。

そもそもアメリカの肥満対策は1977年、アメリカ 上院議員ジョージ・マクガバンがだした「マクガバンレポート」から始まります。アメリカ人の心臓病を防ぐためにはやはり食生活が大事だ。特に油を減らして穀類を増やす、どっちかというと日本人のような食生活をするのがいい…」こういった文章をだしてからヘルスプロモーションが一気にすすみはじめました。それから35年ですか…アメリカの肥満問題はかなり根深いものです。


でも子供達だってだまっていません。
2010年、シカゴの高校では生徒達が立ち上がって教育委員会に「給食を健康にして!」と直訴したことも。


給食革命といえばこちらも有名ですね。Jamie Oliver's Food Revolution
トマトとポテトがわからない子もいますよ。


日本の子供達はどうでしょうか?
まだまだアメリカと比べれば肥満とは無縁かもしれませんが、トマトとポテトをわからない 子は実はいるかもな〜(汗)というのがちょっとだけ心配なところだったりします。

食は小さな頃からの積み重ね。”食育だー!!!”と大声で叫ばなくとも、
大人が背中をちゃんと見せることで自然に気づいていってほしいものです。

【管理栄養士 大野尚子】



2012年5月29日火曜日

肥満のお話 その2:糖尿病と日本人


さて、肥満のお話その1:ナウル島の悲劇では読者の皆さんも”ふむ〜”と眉間にしわを寄せて世界の肥満危機を感じたはずです。

その肥満が起因の一つである糖尿病。
実は先週、パシフィコ横浜で第55回日本糖尿病学会年次学術総会が開催されたところでした!http://www2.convention.co.jp/55jds/top.html
全国から13,000名を超える方が参加する大規模な学術総会です。

下の写真をご覧ください。
ん?大会要旨と一緒に写っているのはTFTのパンフレット!
なんと、今回は学会事務局様の計らいでコングレスバック(学会で配られるバッグ一式)の中にTFTの紹介パンフレットを入れていただきました。


糖尿病の学術総会でたくさんの医療従事者の先生の目に触れたことが大変うれしいですね。
本当にありがとうございました。

さて、その糖尿病ですが、”血液に含まれる糖分(血糖)が多くなる病気”で、血糖が高い状態が続くと血管に障害が出やすくなり、これが後に記述する合併症へとつながっていきます。

糖尿病には、血糖値の調節に働く”インスリン”という物質が大きく関係してきます。
このインスリンが十分に供給されない、不足してしまう「Ⅰ型」の方と、肥満やその他生活習慣病が原因でインスリンの効きが悪くなったり行き渡らなかったりする「Ⅱ型」と大きく分けると二つに分けて考えられます。
(詳しく説明するともっと細かく難しくなるので、このblogではここまでの記述としておきますね)


我が国の患者数は
現在約890万人となり、予備群を合わせて約2,210万人と推定されています。予備軍を入れると約6人に1人?!

「糖尿病なんです〜」なんていうと、「私も!私もです〜」なんて…

いわゆる、「あっちもそっちも糖尿病」状態なんです。
うー、これは危険。

糖尿病の危険なところは、初期の状態ではいたくもかゆくもないところ…
だからこそ、管理をおこたると進行するのが合併症です。
毛細血管が詰まる事により目が失明し、足の壊疽(えそ)などの神経障害、はたまた、動脈硬化で心筋梗塞•脳卒中、、腎臓も悪くし、透析へ…

これだけみるとなんだか脅しみたいですね(汗)

でも、これが現実なんです。
腎臓の人工透析にかかる医療費も国費を圧迫する大変なものです。

肥満は糖尿病のリスクの一つ。
また、太っていなくとも、健康診断の数値には敏感にいてもらいたいものです。
「糖尿の気がある、血糖値が高めだね」と言われた方はよーく心に留めて
明日から食事と運動を見直して血糖管理をしてみましょうね。

【管理栄養士 大野尚子】

2012年5月23日水曜日

肥満のお話 その1:ナウル島の悲劇

さて、今日から数回に分けて”肥満”についてのお話をしていこうと思います。

昨年実はTFT事務局で全6回シリーズでその名も肥満問題白熱教室! (サンデル先生ブームの時でしたからね♪) なんていって皆でわいわい、授業の後はヘルシーメニューのお楽しみ付きで学習会を開催していたのでした。

その第一回で取り上げたのが世界の肥満ですよね〜。

資料)社会実情データ図録(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/)


OECD加盟諸国で肥満度が1位なのはもちろんアメリカですね。約30%が肥満です。
さらっと言いましたが、30%、約3人に1人です。
世界的には一般に、BMI が 25.0 以上を過体重 (overweight) 、30.0 以上を肥満 (obesity) (※この図で肥満とカウントされる人たち)としていますが、日本では25.0 以上を肥満としています(世界より厳しいのですね〜ふむふむ)ので一概に比べられないです。25.0 以上とすると日本の肥満も20%以上ですからふーん3%か〜などと言っていられませんよ。WHOと日本では何故基準が違うのかはまた次回お話しましょう。

そしてここからがあの”ナウル島”のお話。
OECD加盟国以外ではの71%が肥満の国があるとか。それがナウル共和国。

いや、すごいんですよ、このグラフを見たときTFT代表の小暮さんはじめ、事務局の皆の口がポカンとなったのを覚えています。70%かよ〜!!と。

資料)社会実情データ図録(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/)

ナウルは質の高い化学肥料となるリン鉱石がとれるようになり欧米諸国にそれを輸出することになります。1968年の独立後、1970年代から80年代にかけて、ナウルは1人当たりのGDPが世界でもトップクラスの「富裕国」になりました。国は、鉱山使用権による巨額の収益を、土地の区分所有者になった国民に分配し、人々は働く必要がなくなった。=働かなくとも食料を手に入れ、好きな物を食べられるようになってしまった…のですね。。。。


でも今は悲しい事にリン鉱石がとれなくなり、GDPも落ち込み経済破綻を迎え、残ったのは肥満と糖尿病……
肥満は経済成長と大きく関係している事を示す一つのお話です。

ナウル島の家の壁にはこんな言葉が書かれているそうです。
Let's work  the talk ,Promote physical activity, Out smart Diabetes to live longer & healthier.

私からも肥満が減って糖尿病になる人が1人でも減る事を願います。できれば、一度訪問したいです。

【管理栄養士 大野尚子】

2012年5月16日水曜日

お弁当には魔法のひとことを添えて

お子さんやご主人へのお弁当。
新年度になって、”毎朝つくることになったのよ〜”という方もおおいのでは??



最近はキャラ弁もすごいですよね…あっぱれ。
これ一個つくるのに何分くらいかかるのでしょう。


こちらはとある日の私のお弁当。。

前日の夜におかずを詰めてしまうというtheお残り弁当(笑)
御飯は朝の炊きたてを詰めて出かけるまで冷まします


そんなお母さん、あるいはお父さんが一生懸命作ったお弁当ですが
もしかすると全部食べきってかえったきたことがないのよね…ということはありませんでしょうか?


特に新入園児の子供はこの時期”保育園、幼稚園に慣れる事”が優先してしまい
お弁当の時間を楽しむ余裕がないかもしれません。


また、家庭とは異なる”環境”、”食べるスピード”についていけないというお子様もいるかもしれませんよ。
決してお弁当の内容のせいだけではないと思います。


そのような時に毎朝のお弁当をかばんに入れるときの+αとしてお弁当が楽しみになる”魔法の一言”がよりお弁当へのワクワク感を高めるようです。




「今日のお弁当は、秘密だよ。開けてのお楽しみ!」
「今日は、あなたの大好きな○○を入れておいたからね」



などなど。




お弁当への好奇心を高めて、お昼時間が楽しみだな〜と思ってもらえるような
あなたの魔法の一言をぜひ使ってみてくださいね。


【管理栄養士 大野尚子】

2012年5月10日木曜日

時間栄養学のおはなし



おはようございます!
昨日、時間遺伝子の話がTVで特集されていたそうなので今日は時間栄養学の話をしてみますね。

時計遺伝子って?

 生き物はそれぞれのリズムを持っていきていて、そのリズムの基本を作っているのが時計遺伝子です。ヒトの時計遺伝子は約25時間の概日リズムを作っています。この遺伝子、細胞の一つ一つに組み込まれているのだとか!

時計遺伝子のカギは朝日と朝食!

 気がつけば夜更かし生活に突入!なんてことも少なくありませんが、実は先にお話した概日リズム、ほおっておくと時間と生体のリズムが夜更かしのほうにずれていくそうです。これをリセットするには脳の視交叉上核(しこうさじょうかく)にある主時計遺伝子と内臓にある末梢時計遺伝子の時計の針を正さなければいけないのだとか。そこで出てくるのが朝日と朝食!朝日は主時計の針をリセットし、朝食は末梢時計の針をリセットしてくれるのだそうです。朝食、めっちゃ重要ですよ〜。

朝食抜きは肥満を招く?

 末梢時計のリセットをしてくれる朝食ですが、最近はあまり食べない人が多いですね。そんなあなたはご用心。朝食を食べないとエネルギーを節約して脂肪の合成を促すように働きます。1日に摂るカロリーは少ないけれども太ってしまうという…
最近は大人だけではなく、子供の朝食の欠食も問題になっています。特に今の20〜30代で朝ご飯を食べない人は中学生くらいから朝ご飯を食べない習慣が身に付いてしまっているというデータも。子供のころから朝ご飯の習慣をちゃんと身につけておきたいですね。

カロリーだけじゃない!食べ方スキルと時間栄養学

 TFTの栄養チームでもヘルシーメニューと同時に大切にしているのが「食べ方スキル」。何を、どう、いつ食べるか?ということをセットに考えています。

「ついつい食べ過ぎてしまうのですが、どうしたらよいですか?」こんな質問をよく聞きますが、そういう方はだいたい、食事と食事の時間がすごく空いていたり、1日2食や1食ということも。あとは「空腹が怖いです〜(汗)」なんてこともあります。

朝、昼、夕の食事を起床後12時間以内に(3:3:4)の割合でとるようにするのが理想的な食卓。キーワードは12時間。これは体のリズムにもとってもやさしいことなのです。ただ、お仕事をしていたりすると、規則正しい時間にというのがちょっぴり難しいのかもしれません。さらに食事を手作りで、と考えるとハードルは高くなり。。。
そんなに自分を追いつめる必要はありません。お惣菜や外食を利用しながら、まずは規則正しい食事を目指すこともできます。

時間栄養学を頭の片隅において、3回の食事を意識してみてくださいね〜♪

【管理栄養士 大野尚子】

2012年5月2日水曜日

一粒の小麦を考えてみる

GWも中盤、皆様いかがお過ごしでしょうか?

私は前半の連休はお天気のよいうちに!と山に行ったり海に行ったりと旬の食材探訪をして過ごしておりました。(今日なんて朝掘りのたけのこをリュックにつめて電車にのりました…)

そんなおいしい食材を手に入れて今夜の献立は何にしようかな?と思ったとき、
大きく分けて和風、洋風、中華。
主食でいうと、お米、麺、パン?!なんてことを皆様考えるのではないでしょうか。
(そういえば先日献立力なんてのをTVでやっていてちょっとおもしろかったです。昨年のFORTWODAYでお話した”食材を無駄にしない献立の立て方”とかをここでお話するのもよいですね。それはまた今度)

今日は先日お気に入りのパン屋さんで石臼(全自動。エジプト人もびっくり。)を見ながら考えたことを書きたいと思います。

私達日本人の大半ははおいしいお米を求めて○○産!とは考えるけれど、
小麦のことを意識している人はごくわずかではないでしょうか。

グルグルグルグル…ちなみにこの小麦はフランス産。
側の袋で北海道のはるゆたかも確認。

さらに思ったのは、小麦粉は小麦粒をすりつぶしたものという認識を持ち
その小麦粒をちゃんと目で確認した事のあるひとは果たしてどのくらいなのだろう?!ということ。(さらに先をいえばお米と同じように穂になるということも…)

こちらが小麦粒。石臼の周りには白い”小麦粉”が。
たとえば、子供達はパンが小麦粒をひいた小麦粉からできるということを
ちゃんと認識しているのでしょうか。

”鮭は切り身で泳いでる?!”ではないですが、
それに近い認識(例えば、小麦の穂の粒の中に粉が入っているetc…)をもっているのではないか?!ということです。
お子さんがいる方はぜひ聞いてみてあげてください。

日本人の年間小麦の消費量は約610万トン。
(国民一人あたりにして31kg。うどん県の人はもっと多いはず?!)その消費量の85%を海外からの輸入に頼り、国産はわずが15%です。

お米は残さないようにね!という言葉を聞きますが、
小麦も同じ。適量がありますよ?
パンに限らずラーメン、うどんに、パスタ、、ついつい食べ過ぎてしまう大盛り・食べ放題の王道食材。




子供達には小麦粉が単なる魔法の粉ではないことを、給食でパンやうどんを食べる頃までにはぜひ伝えてあげたいな〜と、静かに回る石臼を見て感じたのでした。

小麦のこと全然知らなかったよ〜(汗)という大人の皆さんもお子様も
この機会に勉強してみたい方はこちらがオススメですよ。
日清製粉:小麦粉百科
http://www.nisshin.com/entertainment/encyclopedia/index.html


【管理栄養士 もっきー】

2012年5月1日火曜日

駅ナカコンビニ NEWDAYS報告


駅ナカ コンビニ NEWDAYS発のTABLE FOR TWOキャンペーン、
「カラダにいいことx ココロにいいこと」。
盛り上がる店頭の様子を、本ブログでもご紹介いたしました。

ことし2012年で、第三弾となるこのキャンペーンは、

ヘルシーなおにぎりやパン、サンドイッチ、ドリンク類を始めとした、
69種類に上るTFT対象商品価格から3%という仕組みで取り組み、
集まった寄付額は、8,305,932円でした。 


お陰様で過去2回の記録を抜き去る成功となりました。

すでに店頭のレジモニターでも報告されていますが、
締めくくりとして記事をお送りします。

第四弾に恵まれたら、「美味しい」「嬉しい」に加えて、
何か「楽しい!」要素にもチャレンジしたいですね!

 「駅ナカであなたと世界を健康に。」
NEWDAYS x TFTのキャンペーン報告です。




番長

2012年4月25日水曜日

お野菜振るひと、載せるひと

 


こちらは、春野菜のごろごろカレーという、学研社員食堂のTFTヘルシーメニューです。

野菜を油で炒めずに「蒸し野菜を載せたカレーソース」で一品とする、という組み立て方
 
カレーをヘルシーにするすごい工夫、大発見です。

メニューは、西洋フードコンパスグループさんによるものです。

野菜とソースの工夫ももちろんのこと、味の組み立てにもぬかりありません。

御紹介した調理工程もさることながら、更に重要なポイントは、
カレーソースが本格的にスパイシーで、奥深い満足感ある味だったこと。


この、
コク辛カレーソースによる、強い「引き」のおかげで、トッピングのあっさりした蒸し野菜が、ぐいぐいっと「野菜カレー」のメンバーの1員に交わって違和感なし!となっている〜。見ても、味わっても、一皿のカレーとして素知らぬ顔して収まる逸品。さすがプロのレシピです。

「我慢や妥協しながら食べるヘルシメニュー」は、
TABLE FOR TWO の一番キライな残念スタイル。
このカレーの技と味には、心から参りました。

さて、もうひとつ、今度は社食ではなく街なかより、
じょうずな野菜の食べ方、という点で、可愛くて面白い商品を発見。

エバラ食品工業㈱さんからの「お野菜シェイク」。

生野菜に、粉のフレーバーをシャカシャカ振って食べるという発想。

商品のハウツー映像はこちら

あ、要フラッシュですね。商品ページはこちら

ちなみに「生野菜をおやつに食べる方法」としてご提案です。
そんな素敵な習慣!うれしすぎる!

サラダ未満野菜スティック以上的な、めんどくさがりサンの野菜生活入門にも、なんだか役にたちそう。スゴイですね〜!

きっと、わたしたち大人の新しいオヤツや夜食、おつまみにも、嬉しいはず。
先月御紹介してアクセスが一気に集中した記事
10kg痩せた『まずは野菜』ダイエット」にも有効かも!

本日渋谷区内のスーパーで偶然見つけました。気になりすぎるので、我が家でも買いにいこう。


【番長】




2012年4月20日金曜日

【食育って何?】ピーマン嫌いの「なぜ?」その2

シェフ見習い兼三歳男子の母の紀玉(のりたま)です。

前回の続きですが、「苦味」や「酸味」は、乳児や子どもにとって、毒物や腐敗物だから、キケンと捉えられてしまうのだそう。


だけど、苦いピーマンもゴーヤも春菊もたらの芽も安全ですし、美味です。
酸っぱいトマトも、レモンも、梅干も、酸味という欠かせない美味しさのひとつ。

さて。人は火もあり調理のできる食文化のあるところで育てば、
生でいただくよりももっと安全に食べ物を食べられるようになります。

けっか、原始的な甘み・塩味・うま味、以外にも苦味や酸味が加わり、味覚の幅が広がることになりました。 しかしこれは私たちの食文化によって培われたものであって、生まれたてのベビーの本能や、ベビーを卒業したばかりの、ピュアな子供の舌にとっては、まだまだ「知らないこと」「わからないこと」なのです。

だから大人の役目は、「“苦味”や“酸味”は“キケン”ばかりではなくって“安全”で“美味しい”ものもあるんだよ。」とベビーや子供の舌や脳が理解するまで、何度となく学習(脳への刷り込み)が必要で、その学習が、本能に基づいた好き嫌いというハードルを越えさせてくれるのです

現在では「苦味」や「酸味」は子供に『教える味』と言われています。
 
あなたも「大人になって嗜好が変わった」って体験したことではありませんか?
あるなら、そう。それなのです!

ピーマン嫌いだった子供の頃の私も、 
思い返すと克服のキッカケは食卓に何度となく出された母の“ピーマンとおかかの煮付け“。




ある日ふと興味が沸いて箸を伸ばし「あれ?ピーマンって美味しいいじゃない!」って思ったここからピーマン嫌いを卒業しました。

 といっても母は私に食べさせなければ!なんて気負いはなく、単に自分が食べたくて食卓の一品に並べていたのでしょうけれど。(笑)

 でも、「食育」ってそういうことなんですね~。

紀玉の息子の三歳怪獣も今はピーマンなんて絶対ノーです。
気合い入れて作った料理もプイと横向いて、キレイによけて残します。やれやれ。
 

だけどそれも、息子のワガママではなくって、
リスクを回避して安全な食べ物を探し出そうと子供ながらにしようとしているんだなぁ。
そう思うと、ちょっとエライのかしらん?と優しく微笑んでしまいます・・・っていうのは理想の紀玉の姿です。(笑)

現実は非・優雅、非・おっとりな、にぎやか子育て真っ最中なので。

まだまだ我が家の食卓でも、刷り込みの食育は現在進行中です!!
ご同輩のみなさま、時間のかかるこの学習、どうか気負わずいきたいですね。


【TFT栄養チーム 紀玉】