今回から数回に分けて“TABLEの向こう側”をご紹介する記事をお届けします。
1.TABLE FOR TWO(=TFT)とは?
直訳すると「二人の食卓」。
先進国の私たちと開発途上国の子どもたちが、時間と空間を越え食事を分かち合うというコンセプトのもと、2007年より活動しています。対象となる定食や食品をご購入いただくと、1食につき20円の寄付金が、TABLE FOR TWOを通じて開発途上国の子どもの学校給食になります。20円というのは、開発途上国の給食1食分の金額です。つまり、先進国で1食とるごとに開発途上国に1食贈られるという仕組み。
詳しくはコチラから。
2.ルワンダ共和国 Mayange村
TFTを通じて学校給食を届けている国のひとつ、ルワンダ共和国。
東アフリカに位置し、「千の丘の国」とも呼ばれる自然豊かな内陸国です。
日本からはカタールの首都ドーハ経由で行くことができます。
所要時間は24時間!ちょうど雨季に入る8月と9月の境目に、入国しました。
首都キガリから30kmほど南へ向かった場所にマヤンゲ地区という村があります。
ここはMillennium Promiseが包括的な支援を行っている地域ですが、TFTはその中で幼稚園での学校給食を支援しています。
3.TABLEの向こう側―Mayange村―
まず、Mayange A幼稚園を訪れました。
写真左手が幼稚園、正面が小学校、(写真には写っていませんが)さらに右手には中学校が併設されており、合計2,630人の子どもたちが通っています。この地域では最も古く、規模も大きな学校です。
TFTが支援している幼稚園の給食は、この大きなお釜で作られています。
3歳~6歳の子どもたちには、毎日Porridge(とうもろこし粉を湯で溶いたもの)が提供されています。
さらに この日は、週に2回のゆで卵がつく日!どの子も揃って、ゆで卵から食べます。殻をむき、白身だけ頬張って、黄身は最後まで大事にとっておく…。
これがルワンダンキッズ流の食べ方みたい。
“Witwande?” 「あなたのお名前は?」や、
“Ufite
imyaka ingahe?” 「歳はいくつ?」と尋ねると、
最初は少し照れながらも、元気よく手を挙げて教えてくれます。
続いて、Ruhorobero幼稚園を訪れました。
この園舎は、屋根や窓・ドア枠以外は、保護者の方々が協力して建設されたそう。
教室がひとつしかないため、4~6歳の子どもが皆一緒になって勉強しています。
こちらが給食のPorridge。もうすぐ配膳の時間です。
給食の前には、きちんと手を洗います。
TFT事務局のスタッフも、配膳のお手伝い。
そして、待ちに待ったPorridgeの時間!!
おいしかった? お代わりがほしいのかな?
親御さんから幼稚園や給食について、お話を伺う機会がありました。
「学校は楽しいところという感覚を早くから体験できるから良い。」
「英語で会話や集団生活について学ぶことは、小学校の先取りにもなる。」
「幼稚園に行き始めて、子どもから『これは何?』などの質問が増えた。」など…
嬉しい言葉をたくさん聞くことができました。
この地域において、卵は決して手の届かぬ食材ではありません。鶏を飼っている家庭もあります。卵が栄養価の高い食材だということも彼らは理解していますが、それと同時に、同じ卵1個が市場で100RWF(≒15円)になることも知っているのです。100RWFがあれば、例えば石鹸を買うことができます。
同じ卵が、わが子の栄養になるか、家族みなが使う石鹸になるか。
どちらも大切だけれども、選択しなければならぬ状況。
そのような話を伺うと、“ゆで卵”を頬張る子どもたちの笑顔が
さらに愛おしく感じました。
次回は、Mayange村内の保健所が開催している、母子対象の栄養教育プログラムについてご紹介したいと思います。お楽しみに…♫
今年も世界食料デーキャンペーンの季節がやってきました。
期間限定のメニューや、イベントもありますので、お見逃しなく!!http://jp.tablefor2.org/campaign/itadakimasu/index.html
管理栄養士 網谷有希子